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なぜプリン研究所のプリンは賞味期限が長いのか

プリン屋さんあるあるなのですが、プリン専門店で一番多い問い合わせは「プリンの賞味期限は何日ですか?」というものです。

プリンの主原料は牛乳と卵。
どちらも賞味期限が長い材料ではありません。

特に、割ってしまった後の卵のことを想像していただけると分かるかと思いますが、本当にすぐに傷んでしまいます。
また、当店の牛乳はほとんどが低温殺菌牛乳なので、通常の牛乳よりもさらに賞味期限が短いです。

それを混ぜ合わせたプリンの賞味期限が長いわけがないんです。
一般的な洋菓子店で販売しているものなら賞味期限2~3日のものが多いですよね。

スーパーやコンビニのプリンの賞味期限が長い理由はただ一つ「何か入っているから」なんです。

菌の繁殖を防ぐ「保存料」や、傷みやすい原因である水分をプリンの外に出さないようにする「増粘剤」などが入っていることが多いです。
もちろん、入っていなくても賞味期限が長い、企業努力の結晶のようなプリンもあります。

初めてアンディコの「こだわり極プリン」を見た時は衝撃でした。
個人的には、間違いなく市販のプリンでNO.1です。

添加物自体が悪いわけではありません。
食品ロスによる環境の配慮にもつながりますし、スーパーやコンビニなどの経営面からみると賞味期限が長いに越したことはありません。

添加物はきちんと国に認証されているものなので、そういったものが体に入ったからといって死んだりはしないとは思います。

ただ、保存料などを直接舐めたことがある人にはわかると思いますが、下が痺れるような刺激があり、人間が口にできる味ではないんです。

保存料が入っていてもごく少量なので、その味はうまくごまかされてはいるのですが、少しでも変な味が入っていると本当に美味しいものではなくなってしまうと私は考えております。

敏感な方はごく少量でさえ、その味で舌が痺れるといった方もいます。
私も添加物すべてに反応するわけではないですが、たまに悪い意味で痺れる商品に出会うこともあります(笑)

賞味期限が短い原因は菌が原因なのはご存知かと思います。

菌が繁殖する主な原因は酸素と水分と温度です。

他にも光やエチレンガスなどいろいろありますが、特にプリンの賞味期限に関係するのは上記3つが主です。

菌が増える要素をなるべく取り除くことで、添加物がなくても賞味期限は長くすることが可能です。

本来、プリンは牛乳、卵、砂糖を混ぜ合わせて、焼いたり蒸したり、卵の熱凝固性を利用して作ります。
これは、日本に伝わった最古の資料にも記されているので、これが日本に伝わった最初のプリンです。

ただ、過熱をせずにゼラチンなどの凝固剤を使用して作る「ケミカルプリン」と呼ばれるものもあります。

ケミカルプリンは私の中ではゼリーなので置いておきますが、熱凝固性によって作るプリンは「離水」といって固まったプリンから水分が出ていくことがあります。

それがプリンが最も傷みやすい原因の1つです。

プリンの離水は衝撃によって起こるのですが、お客様が持ち帰るときや、配送などの振動など様々な衝撃が加わるので、衝撃を無くすことは不可能です。

そうなると、お店側でできるのは「容器内の酸素を無くすこと」と「温度管理」しか出来なのです。

温度管理は冷蔵庫に入れておくだけなので、特に問題はないと思われている方も多いかと思いますが、一般的に菌が増えやすいと言われている20℃~50℃をいかに早く冷やすかが重要となってきます。

これも可能にするのが、ブラストチラーという急速冷凍冷蔵庫です。

ブラストチラーはかなり高価な機械で、どんなに小さく安いものでも、100万円以上はします(笑)

もちろん、冷蔵庫でも代用できるのですが、冷蔵庫は基本的に冷えているものを保存しておく場所なので、熱いものを冷やす専用の冷蔵庫ならともかく、ほかにもいろんなものが入っている冷蔵庫に熱いものを入れると冷蔵庫内の温度が上がってしまい、ほかの食材が傷みやすくなってしまいます。

ブラストチラーは、熱いものを冷蔵庫よりも早く、凍らせずに急速に冷やすことが出来る専用の冷蔵庫といった感じです。

当店ではこれを使用することで、菌が繁殖しやすい温度帯をなるべく短い時間で通過することで、菌の繁殖を抑制しています。

また、酸素については当店では特殊な製法で、ビン内を真空に近い状態まで脱気しております。

当店をプリンを開封していただけると分かるのですが、蓋を回すと、「ポンッ」と音が鳴ります。

その音が、おいしさと安全、安心の証拠なのです。

これが当店の賞味期限が長い秘密です。

最初の画像は、当店のプリンの賞味期限を検査していただいた際の資料なのですが、30日経っても、菌はほぼ繁殖していない状態です。

2か月経ったものも食べたこともありますが、味はかなり落ちてしまっていますが、全く問題はありませんでした。

さらに常温と呼ばれる25℃でも検査しましたが、これでも3日は大丈夫でした。

これは実は驚異的な数字です。

少しくらい持ち歩いていただいても、そこまで影響はないというプリンは、ほぼありません。
ただ、常温での保証は出来かねますのでご了承ください。

賞味期限が長いプリンは、ギフトに大活躍します。

ギフトをお渡しする方がすぐにお召し上がりいただけるか、正直わからないですよね。
運悪く、旅行に行っていて受け取れなかったとしても、賞味期限が10日あれば、おそらく大丈夫です。

きっと先様にも喜んでいただけると思いますよ。