BLOG
お知らせ

なかほら牧場牛乳

なかほら牧場牛乳

プリン研究所の北村です。

こんにちは。

 

仙台のプリン屋さんから教えていただいた、岩手のなかほら牧場さんから牛乳が届きました。

DSCF1130

ここの牛乳はジャージー牛で自然のままをコンセプトに、エサはなるべく野芝や、無農薬の乾草などを食べさせ、低温殺菌でノンホモで出荷しています。

ノンホモというのは、牛乳は本来、脂肪の分子が大きく、置いておくと自然に上のほうに脂肪分の多いクリームが浮いてきます。

 

市販されている牛乳の多くは超高温短時間殺菌という方法をとっているのですが、脂肪分の粒子が大きいとその殺菌方法ができません。

ですので、脂肪分を小さくするホモジナイズ(均質化)という工程を入れ、その後殺菌処理をします。

 

しかし、こちらの牛乳はそれをしていません。

それをノンホモジナイズ、略してノンホモといいます。

 

ですので、この牛乳は上のほうは脂肪分が高く、底のほうは脂肪分が少ないということになるので、飲むなら少し振ってから飲みます。

 

ノンホモ牛乳でプリンを作ったことがなかったので、ちょっと楽しみでした。

 

ただ、これが意外と厄介でした。

 

脂肪分が浮くので、生クリームを使ったようなプリンのイメージをしていたのですが、どちらかというとバターに近いようです。

牛乳を活かしたほうがいいだろうと、初めは卵白が多めの配合で試しました。

卵黄が多いとどうしても卵味のプリンになってしまうからです。

 

しかしこれが大失敗。

表面が全く固まりません。

 

脂肪分が上のほうに分離しているのですが、その部分に卵が全く混ざっていないような感じでした。

要するに乳脂肪分が全く乳化しきれてないということです。

 

生クリームは水中油滴型という水の中に油分が混ざっているという乳化状態になっています。

しかしバターは油中水滴型という、油の中に水分が混ざっているという乳化状態です。

 

生クリームは水分と混ざるのですが、バターは水分とは分離します。

要するに、このクリーム層はバターに近いということがわかります。

 

この脂肪分の中に卵を入れるとなると卵黄のみか、卵黄の多い配合でしか無理だと思いました。

なので、次は卵黄のみと、卵黄多めのプリンを作ってみました。

 

焼き上がりは予想通り、いい感じに仕上がりました。

 

いやぁ、プリンも奥が深いですね。

 

 

試食をしてみると、脂肪分が上に浮いている分、通常のプリンよりもミルク感が強く感じられます。

卵黄のみのプリンは、普通の牛乳だけではミルク感が弱く、生クリームや粉乳などを入れないとミルク感は出ませんでした。

これは面白いですね。

 

ただ、私は少し牛乳の味自体に違和感を感じています。

確かに濃くておいしいのですが、少し牧草のような風味を感じます。

エサのせいかもしれませんが、私はこの風味が邪魔な気がします。

 

ただ、バニラを入れたりカラメルをかけると、全く気にならないようにはできます。

ただ、私的にはあまり好みではないですね。

 

せっかく提供いただいたのに申し訳ありません。

 

ただ、この牛乳自体はご当地牛乳グランプリで最高金賞を受賞したりと、世間的に評価を受けている牛乳なので美味しいものだというのは間違いないです。

ただ、私の好みではなかったということです。

 

やはり私のプリンに使うのは、いでぼくさんの牛乳になるかと思います。

今度、例の秘密を使ったプリンを試作する予定です。

また報告しますので、お楽しみに!!